親族の土地の注文住宅を建てようと画策していたものの、延焼ライン、さらに準防火地域という壁が立ちはだかりました。我が家の場合は少し複雑な環境だったこともあり、建築確認申請までなかなかスムーズに進まず…。
レアケースではあると思いますが、準防火地域に家を建てるにあたって出てきた問題についてまとめました。
絶対にかかってはいけない「延焼ライン」
家を建てる予定の場所の隣にすでに家が建っている場合、気にしなければいけないのが延焼ラインです。
延焼ラインとは簡単に言うと、隣にある建物などから火災が発生した場合に火が燃え移ってしまう可能性のある範囲のこと。この延焼ラインにかかる部分には新しい家を建てることはできません。
建築基準法により細かな数値が決められているため、1mmでも越えていれば建築基準法を破ってしまっていることになります。
ただ、建築士など専門知識を持っている人が間に入っていれば、延焼ラインにかからないアウトラインでの間取りを提案してくれるはずなので、基本的に施主側はそこまで心配しなくても良い事柄ではあります。
延焼ラインに加え「準防火地域」という落とし穴が!
なんと我が家が新築を建てようとしていた土地の半分以上は、準防火地域というものに入ってしまっていました。準防火地域に家を建てる場合は、シャッターをつけたり網入りガラスにしたりと準防火仕様にしないといけません。
すでに建っている親族の家も準防火地域にすっぽりと入っていたのですが、なにぶん昔に建てた家ということもあり、準防火仕様になっていませんでした。
これが原因で、延焼ラインを1階は3m、2階は5mとらなければいけなくなってしまったのです。
決定したはずの間取りを考え直す事態に…
実はこの問題に直面したときにはすでに間取りが決定していたのですが、延焼ラインにかからないようにするために間取りを考え直さなければいけない事態になりました。
建築基準法を守るためには仕方ないこととはいえ、一度は理想にまで持っていった間取りを変更しなければいけないこと、そして、どちらにせよ準防火仕様にするための費用がかかってしまうという現実のダブルパンチでへこみました。
既存住宅の実態について事前に伝えておくべきだったのか否か?
最終的には延焼ラインを避けた間取りに持っていくことができたのですが、既存住宅に絡む諸々でかなり時間がかかってしまいました。
ハウスメーカー側としては、契約が確定してから間取りを作成、そこから建築確認申請(できるかどうかの確認も含め)というのがおそらく正規の流れなので、間取りが決まってから既存住宅の非準防火仕様が発覚したのも仕方がなかったのだと思います。
ただ振り返ってみれば、事前に既存住宅が準防火仕様になっていないことを伝えていれば、もっとスムーズに進んだのではないだろうかとも思わざるを得ませんでした。
既存住宅の延焼ラインチェックを忘れずに!
時に家づくりを阻むこともある延焼ラインですが、安全・安心に暮らしていくためには重要なポイントであり、建築基準法として守らなければならないものでもあります。
我が家の場合は複雑な事情が絡みあい、多少面倒なことになりましたが、これから家づくりを考えている方も「延焼ライン」について知っておいて損はないはずです。